僕の話3
26で横浜に帰ってきてから、初めて自分のアップライトを買った。
掃除屋のアルバイトをして、もちろん音楽の仕事なんて一つも無いから、暇な時間はとにかく練習。
この時期、親の劇団の経営が厳しくて、また、家族の色々体調崩したりして、かなり長い先の見えないトンネルに入る。
家族のことや、親の仕事(ノーギャラ)の手伝いをしながら、バイトと、練習。まだ26だったから、気楽さと楽しさはあったけど、焦ってもいた。1人だけこの世から取り残されていくような。
この時期に、多大な影響を受けた松井秋彦師匠に指示することになる。
それまでバップばかり練習していたのが、突然5連符とか7連符とか、調性感がまったくない変拍子ばかりやらされることになる(笑)
なんだこりゃ、と最初思ったけど、寝ないで練習してると、だんだんクソムズイ松井さんの曲ができるようになってくるのが楽しくて、どんどんそういう音楽にはまっていった。
ただお金がいつもなかった。
バイトも不景気だったり、人間関係で悩んだりして、音楽やってる時はとても楽しいけど、家路につく時のなんか孤独感、取り残されてる感は否めない。
なんとか開かなきゃと思い、ダメ元で、色んな音楽スクールに採用してもらえないかと、応募した。
パソコンなんて持ってないから、ガラケーで一生懸命検索して。
拾う神ありで、とある原宿のスクールが講師で採用してくれた。
採用面接にいった時、何もプロフィールが無いのでめっさ自信なかったのだけど、何故か実技試験もなく、採用されて。奇跡だなあ。と思った。
そこから初めて音楽の仕事ができるようになり、長かった闇の(笑)時代も終わったかと、一安心。
初めてパソコンも買うことができた。キーボードも、初めて良いものが買えた。
演奏も、僕とはキャリアが段違い(そもそも僕にキャリアはなかったw)の方とちょっとずつ演奏させてもらえるようになっていき、このまま前に進んでいけたら…!と希望が。
この時29歳くらい。
続く